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農園リストランテ

203.(栄養管理) 「粗飼料が中心、濃厚飼料は控えめに・・・」というのはどういうことですか?

ヤギは、牛やヒツジとともに4つの胃を持つ「反芻動物」です。
この反芻動物の食事を管理する上で、とくに一番目の胃であるルーメンを理解することが、とても大事です。
ヤギを健康に飼うということは、ルーメンを丈夫に育てるということだと云われます。そこには、微生物の大活躍があります。
ルーメンは、反芻動物を支える、巨大な発酵タンクなのです。
粗飼料や濃厚飼料という餌の扱い方を、このルーメンという胃袋の存在と働きぶりを通じて説明します。

植物には、セルロースなどの繊維質があります。
ヤギはこれらの炭水化物を消化してエネルギーに変えています。
ところが、人間もそうですが、実はヤギも、自身は、繊維質を分解する酵素を持っていません。それを行うのは、ルーメンの中に棲む、細菌をはじめとしたさまざまな微生物なのです。この微生物が、セルラーゼというセルロースを分解する酵素やその他の何種類かの酵素を持っていて、消化を助けます。
一度飲み込んだ食べ物を再び□の中に戻して再咀嚼(反芻)するのは、植物の繊維を細かく破砕して微生物が付着しやすくようにするためです。

反芻の大事な役割が、もうひとつあります。それは、ルーメンへ大量の唾液を送り込むことです。
ルーメンの微生物が餌を分解する際、酸(酢酸、酪酸、脂肪酸)を組成します。ところが、微生物は酸性に弱いものがほとんどなのです。
ルーメンのpHは通常、中性から弱酸性ですが、酸がたまりすぎてpHが酸性に傾くと微生物たちは死にはじめます。
※この状態を「ルーメンアシドーシス」と云います。アシドーシスとは“酸性状態にある”という意味です。
これを中性に戻していくのが、唾液なのです。ヤギの唾液はアルカリ性だからです。
ですから、どんどん反芻してもらうことが良いのですが、その反芻をうながすのが、繊維質を豊富に含む粗飼料なのです。繊維質は、堅いルーメンマット(ルーメンの中央の層にできる大きな飼料片のかたまり)をつくり、このマットがルーメン壁を刺激して反芻をうながします。反芻は胃壁の刺激への反射なのです。
これで弱りかけていた微生物も甦ります。素晴らしい仕組みですね。

粗飼料をたくさん与えることにより、ルーメンマットが形成され、反芻がうながされます。その結果、ルーメン内の環境が程良い状態で、消化が進むのです。栄養価が高く、好物だからと言って濃厚飼料を過剰に与えると、どんどん消化が進んで、ルーメンが酸性に傾いたり、ガスがどんどん発生するにも関わらず、反芻がうながされないので、いつまでも正常に戻らず、病気になってしまいます。
ルーメンと反芻と微生物の仕組みを理解すれば、餌の適切な与え方も自ずと理解できます。

反芻の様子を見るのはなんとも言えません。
反芻するときのヤギの穏やかな表情は、こちらも幸せにしてくれます。それもその筈で、反芻はヤギが健やかである証しなのです。

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