採草の場所に杭などを打ち、ロープでつないで飼う方法を繋牧と云います。
手軽で、採草の場所を選ぶことができますが、事故も多いやり方なので、注意が必要です。ロープが杭や雑木にからまって、ヤギの首や四肢を締めてしまうのです。足が壊死したり、死亡に至ることもあります。当園から里子に出て行った仔ヤギが出会うアクシデントでも、繋牧がもたらすものが、病気などよりも多いというのが実態です。
① ロープがからまない繋牧器の工夫
・長さ40-50㎝の杭の頭に回転器具をつけて、ロープを繋ぐ。
・杭ではなく、廃タイヤを使うと転がして移動できるので、杭の打ち込み作業が軽減される。
・2本の長い杭にワイヤを通し、ワイヤ部にロープを通して移動できるようにする。
② からみ難いロープの選定
・軽量の(犬用の)ビニールリードは足などにからむと外れないので、事故のもとになる。自重でからみが外れるロープやチェーンを利用。
・ロープに水道のホース通すとからみにくくなる。
③ ナスカンや首輪の利用 ④ 繋牧する場所の選定と周囲の整理
・ロープの範囲に小枝などが落ちているとそれにロープがからまって回転できなくなってくる。またロープと杭の回転部に伸びた草などがからまって回転できなくなることもある。杭の周りの草を刈り、ロープの範囲の声だなどは除去する。
に配慮して行ってください。
繋牧などで採草の範囲を制限すると、毒草の誤食などの恐れも高まりますので、周囲を観察して、あらかじめ抜いてしまいます。
また、雨や直射日光を避けるため、簡易な屋根や木陰を用意しましょう。
ふだんの居場所から離しますとヤギが不安がります。複数のヤギを、お互いが見える範囲で繋牧すると落ち着きますが、ヤギのロープ同士がからまないように適切な距離をとることが大事です。
傾斜地や崖では、足を滑らせて首を吊ってしまうこともあるので、杭は傾斜地の下の方に設置するか、そういう場所は避けましょう。
可能な限り目の届く範囲で行い、そうでない場合はときどき様子を見に行くなどの留意が大事です。
つなぎ飼いの応用になりますが、リードでつないだヤギを自由に野山で散歩させて採草させるやり方もあります。散歩飼いと呼んでいます。
ヤギとのコミュニケーションを図ることができ、好きな草やそうでないものなどが、具体的に分かる実習にもなりますので、お薦めです。ただ、何時間でも食べ続けますので、人間の方が途中でギブアップしてしまいます。穏やかな天気で、時間に余裕のあるときにどうぞ。
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