ヤギ小屋の床に敷く、稲ワラやオガクズ、モミガラなどの総称を敷料と云います。
床には、
①クッション性がある
②滑らない
③乾いていて衛生的
④ヤギの体を傷つけない
ことが大事で、床をコンクリート張りなどしたことによって不足する条件を補ってくれるものです。
その材料として、オガクズ、モミガラ、戻し堆肥、藁、ウッドチップ、コーヒー粕、古紙などがあります。保水性、吸水性が高いことや軽量であること、吸臭効果なども求められ、オガクズとモミガラ、戻し堆肥をブレンドしたものが良いと聞いています。ただ、これは畜産家などの規模のことであって、ヤギを数頭飼いするレベルでは、例えばオガクズを最小ロットで購入できたとしても、その保管場所に困ります。
秋田という土地柄、モミガラは年間を通して、屋内保管のものを、そのときどきに必要な量だけ無償で入手できますので、もっぱらこれを利用しています。敷料としてのモミガラは、吸水性にかけるため、尿をコンクリート床まで通過させ、放っておくとやがて表面まで濡れてきます。そうなる以前に、汚れた部位を小まめに交換し、定期的に全交換して清潔を保っています。クッション性や通気性があるので、これで常に乾燥した快適な床環境を与えてあげられます。
また、コンクリート床とモミガラの間に、EM菌ぼかしを撒いて、雑菌の発生を抑制しています。当園のヤギ小屋を訪れた方は、臭いがまったくしないことに驚かれます。ちなみに毎朝夕には、床の糞をすべて取り除きます。床の清潔維持は日常のことなので、敷料は調達のしやすさが最優先です、その欠点は日常の作業で補えばいいという考えです。
バイオベッドという発酵床で飼われている方もおります。床にぶ厚く詰めた敷料(堆肥)上でヤギを飼育し、フン尿をその場で敷料と混合し発酵させることによって、ヤギの飼育とフン尿処理を同時に済ませるやりたかです。敷料は、年に一度、重機で収集し、堆肥として売却するそうです。理想的ですが、特に夏場は臭いも出てくるので、常時、換気扇を回していました。また、飼養頭数や床の広さ、あるいは気温によって発酵の程度も変わってきますので、現実的に取り入れるには試行錯誤が必要と思います。
思いを馳せれば、そもそもヤギが野生に居た頃、行動を規制されることもなく、山野を駆け回っていたわけで、自らのフン尿で地面に汚れが堆積することもなかったでしょう。家畜として進化することで、その代償のように生活圏の汚れの問題が出て来ました。あの時代の環境に、ちょっとでも近づくように、そんなことを想像しながら、フン拾いにいそしんでいます。
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