三つ、揚げます。私見ですが。
ひとつは、愛玩のために飼うのであっても、ヤギは社会的には「家畜」であり、つまり家畜の飼養者になるということへの自覚です。
もうひとつは、ご自身の暮らしの中でヤギの存在をどこにどのように位置づけるか、という芯をきちんと持つ、ということです。
最後は、飼うことは「観察」すること、ということです。
家畜の飼養者と云うと大げさに聞こえますが、最低限の知識と自覚はお持ちになってください。
ヤギは、牛、豚、馬、めん羊とともに「家畜」です。それが、イヌやネコと大きく違う点です。飼養衛生管理基準、飼料安全法、家畜排せつ物法、家畜伝染病予防法、動物取扱業、家畜商法の対象になります。
例えば、市町村、または家畜保健所に飼育状況を定期報告しなければいけません、
例えば、家畜伝染病予防法。ヤギを通じた重要伝染病の発生もあり得ます。もし、口蹄疫が発生したら近隣の牛/豚などの畜産業へ深刻な被害をもたらします。
例えば、飼料安全法。A飼料以外は給与してはいけません。BSEの発生を防止するためヤギに動物性たんぱく質などを含む飼料給与が禁止されています。ペットフード、人の残飯を与えることも法律で禁止されています。
一言で云えば、反芻する草食動物であるヤギの生態を勉強して理解し、無用な病気をさせないよう清潔に、健康に飼ってください、ということです。
もうひとつ大事なことは、「あなたは、なぜ?ヤギを飼いたいの?」ということを、5H2Wで整理することです。
つまり、
①Why なぜ?ヤギ?
②What なにをしたい?望むことは?
③When いつから?
④Who 誰から?誰の?
⑤Where どこで?
⑥How どうやって?
⑦Howmuch どれくらいの費用をかけるの?
ということを、飼い始める前に、自問自答しながら書き出しましょう。そして、毎年必ず振り返りましょう。
コンパニオンの存在とする方も、乳利用など、産業動物の位置づけにされる方もいます。その中間という方も多くいらっしゃいます。自分(たち)の生活の中で、ヤギはどういう存在である(べき)か、ということをきちんととらえる、ということが非常に大事です
最後は「観察」です。
ヤギや丈夫で粗食に耐える動物と云われ、なるほどその通りですが、体調の変化を外に出さない、積極的にアピールしないという側面もあります。
日頃から関心を持って観察すれば、ささいな変化を「感じられる」ようになります。飼い主が敏感に変化を捉えられたら、知識や経験が薄くても、獣医や先輩飼養者にエスカレーションすることで、さまざまなサポートを得ることができます。逆に、飼い主が無関心であれば、本当に悪くなるまで気づかず、手遅れになることもあります。
ヤギへの愛情とは、可愛がることだけでなく、むしろ観察することなんだろうな、と思っています。どうぞ、良く観察し、感じてあげてください。
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