こうして寒くなり、しかもどんより雨雪まじりの天気が続くと、ヤギたちはどうしても小屋の中に篭りがちになる。つまり、床が汚れる。夏など、天候の良い季節はひと月経ってもモミガラ床の汚れはほとんど目立たないが、これからは数週間ごとに変えなければいけない。良いことには、これからは気温も下がり、凍りつくような毎日なので臭いだって不衛生になることは抑制される。乾乳すれば乳搾りもなくなり、子ヤギもおらず、しばらくは余り抑揚のない、しかしモミガラ交換など、マメで地味な作業ばかりの毎日が続く。それは、来たるべく賑わいの季節の準備であり、大事な仕事と言える。
ヤギたちは裏山に登っても緑がないので、すぐに戻ってくる。乾草中心の季節が春まで長く続く。美味そうに干し草を食べる様は見ていて、こちらも嬉しい。上等な干し草を用意してあげよう。小屋の屋根の補強は昨日やったが、トタンが大分腐ってきている。来年は張り替えないとダメだな。星空観察の方のお父さんが大工さんで、来春、埼玉から移住してくるらしい。しょぼい仕事かも知れないが、外壁の修復などを含めてお願いできないものが交渉している。地方でも人手不足は深刻であり、なにかあってもすぐに動ける時代ではなくなった。ワンタスクを専門的にやれる人材からひとりでいろいろマルチのタスクを動かせる人材が重宝されることになるのかも知れない。
昨日はヤギミルクでアイスクリームをつくったが、レストランの一品とするのか、小売を意識するのかで求められるスペックが違ってくる。例えば、アイスクリームを小売しようとするとパッケージングされた状態で舌触りなどが良くないといけない。レストランで出すなら、出来立てのものを供することもできる。市販のアイスクリームには水あめやオイル、添加物など、いろいろ入っている。その是非は置いておくとして、なぜそうなのかは作ってみるとよく分かる。一言で言えば、必要だから、である。
ヤギのミルクをいろいろ加工してみて、これまでにない新しい発見ばかりがあった。内から見る風景と外から見る風景は違う。勉強になる。まだ頭の中は混乱しているので、少し沈殿させよう。地味な季節、沈殿にはもってこいである。
今日のヤギ時間：トータル3時間