昨日までの青空が一転して朝からぐずついた天気である。ときにそぼそぼ、ときにはざんざん降る。夜半までこんな調子らしい。
メッコの診察で獣医のS先生にまたお越しいただいた。3週間前に診察いただいて一旦は回復したかに思えたが、この一週間、なんとなく元気がない。
症状としては、①食欲が振るわない ②軟便気味 ③ なんとなく溌剌ではない ④微熱があるかも知れない 基本、平熱 ⑤乳量が元気なときの1/3程度 というもので、日毎に少し下降気味に感じたので連絡した。抗生剤などの注射を3本打ち、今回は飲み薬も処方いただいた。随分暑い夏だったし、3匹の子育ての心労もあるだろう。牛飼いのFさんのお話では、牛は本当に暑い時期は耐え抜くそうだ。涼しくなって過ごしやすくなる頃が危ないという。疲れが出てきてバタバタ行くときがあるようだ。そういう事態はどうしても避けたい。
今日は獣医師とのおつきあいについて私見を述べたい。
まずはご縁について。獣医さんをどうやって見つけるんですか、という質問への回答にもなる。ヤギを飼い出した頃はかかりつけの方がおらず、家畜保健所づきの獣医の方に診察をお願いしていた。だが、気軽に相談という感じではなく、距離もあって来ていただくのが簡単ではなかった。あるときペット病院を開業したばかりのN先生に辿り着いた。動物園勤務のご経験があって、家畜獣も大丈夫ということだった。開業医なので、ヤギを連れて行かなければならない。その不便を見かねたのか、訪問獣医てある今のS先生をご紹介いただいた。以来、なにか気になることがあるとS先生に相談している。S先生の専門は豚であり、範囲は内科になるが、頼りにしている。外科の処置が必要なときは、このS先生を経由してO先生に訪問いただく。牛に詳しい獣医さんである。牛もヤギも胃を4つ持つ反芻獣であり、その生理が、つまり病理もよく似ている。
こうして普段はS先生(訪問)、外科処置の時はO先生(訪問)、もっともおおがかりな治療のときはN先生(外来)という贅沢な布陣で臨んでいる。
次に、なにを判断基準にして獣医さんを呼ぶのか、あるいは呼ばずに様子見にとどめるのか、についてお話ししたい。結論から言うと人様に開示できるような判断基準は「ない」。敢えていえば「勘」のようなものであり、そのベースに「日常の観察」がある。このふたつに尽きるのではないかと思う。あれっ、なんか様子がおかしいな、と引っかかるものがある、その引っかかりの程度で連絡するか、様子見にするかを(感覚的に)判断している。そのためには自分のヤギについては、その飼い主が誰よりも良く知っていなければならない。動物は物が言えない。我慢強いと言われるが、簡単に弱味を見せると襲われてしまうという防衛本能がある。本当は大丈夫なんかじゃないのかも知れない。そのことを誰よりも良く知っている筈なのが飼い主である。重篤化したり、手遅れになるよりは心配性と言われる方がまだ良い。そういうことだと思う。
よく食べて、健全なウンチをしていれば、まずまず心配はない。これが崩れて、しかも熱っぽかったり、だるそうなときは診てもらった方が良いと思う。症状が進んで悪化してから診てもらうのは避けたい。なるべく初期症状のときに早期に治療してもらうことである。今回のメッコのことは、他に目立った症状はないが、食欲とフンが正常でない。良く入らず、良く出ていかないのだから消化機能などになんらかの異常が発生している。さらに数日間、様子を見て下降傾向に思えた。変な症状が出てくる前に早めに診てもらおうということである。
こういう判断では獣医さんを頻繁に呼ぶことになり、治療費などがかさんでしまうと思われるかも知れないが、そんなことはない。
獣医さんに頼るのは、ほとんどが病変以外、例えば除角のときに全身麻酔してもらつたり、去勢のオペをらお願いしたり。年に数回である。今回のように病変で再診までお願いしたのはヤギを飼って初めてのことである。
私は病気を起こさない飼い方に注力している。ヤギの健康管理とは、すなわち衛生・栄養・運動管理のことである。その上で異変を感じたときは速やかに獣医さんなど専門家にエスカレーションする。決して素人判断はしまいと自制している。
普通は注射の薬は良く効く。朝打ったのだから、夕時の食事は期待したが、やはり半分残した。少し気にかける日が続きそうである。早い回復を祈るばかりだ。
今日のヤギ時間:トータル3時間30分
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