Mワイナリーのオスちゃんは大丈夫だった。食欲も戻って、モリモリ食べているらしい。青森のキャンプ場の子も回復したようだ。結局、獣医さんを呼んで注射を打ったらしい。病名は聞いていないようだが、いずれ良くなってなによりだ。雪が降る前に会いに行ってみるか。
血統の話しの続きである。
ヤギの場合、血統の登録が進まず、倫理も打ち立てられていない状態、つまり野放し、であること。一方、イヌネコでは登録は進んでいるが、倫理が破綻しているのではないかと述べた。私が小さい頃は雑種ばかりが目立っていたから、純血のイヌやネコがこうして普通になったのは高度成長のお陰だろう。倫理を打ち立てる前に「純血」をありがたがって、それを証明する登録という制度だけがどんどん進んでしまったというのが本当のところかも知れない。私たち日本人はこういう制度を海外から持ち込むが、その深いところにある哲学めいたことは私たち自身が打ち立てないといけない。それをないがしろにしてしまうのは、日本人の弱点という人も居るが、私はそうは思わない。ただ、制度を足早に導入することに忙し過ぎたのは事実てあり、そろそろ根っこをはやさないといけない。
こう視点からみるとMIX犬の人気は面白い。交雑だから彼らに血統書はない。飼い主はきっとそんなものはいらないと思っていることだろう。純血至上主義への反動。健全な考えだと思う。雑種一代(h1)は両親の良い特質を受け継ぐので、健康な子が比較的多い(雑種強勢)。ただ、h2に進んでいくとそうではなくなる。MIX犬が急速に雑種になる。野菜のF1と一緒である。つまり、MIX犬から新しい品種が安易に生まれることはない。遺伝の妙というものである。
イヌネコは(ペット)産業として「お金」を生んだという背景がある。そこに人間の欲望が渦巻いて、血統書の意義や価値を自己否定してしまった。軌を一にして、ヤギは衰退した。産業としてお金にならなかったので、私たち人間が見離したのである。イヌネコと逆である。細々と生き残って今に至る。だから、ヤギの世界では人間の欲望を余り感じない。そこに私は一縷の望みを見出す。
私は真剣にヤギ飼養に取り組む方を普及指導員に任命する制度が良いと思う。全国で数えるほどしかいないレベルの高さで良いと思う。その普及指導員が血統の登録と倫理の定着などの牽引役になるのである。血統書など、動物の個体に帰属する制度は否定しない。だが、その制度を運用するのは人間である。その制度を崩してしまうのも人間である。だから、人間に帰属させる認証があって良いと思う。この任命などを公的機関で行うことは難しいだろう。NPOなど民間事業体てやれば良い。ヤギ認定試験なども行う。普及指導員は、この上級の合格者であり、飼養実績や作文、面談などを経て任命される。人物本位が望ましい。普及指導員間のネットワークづくりがやがてできて、素敵な世界が待っているのではないか。
今日のヤギ時間:5時間
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