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農園リストランテ

25.09.01 乳糖不耐症

今晩から明日にかけて雨の予報である。その予報に思い立って裏山に牧草の種を蒔くことにした。
牧草の種蒔きは面倒なものではない。肥料に種を混ぜて、地面一面にばら蒔いていく、ばら蒔いたら、雨や風に流されないよう足で踏みつけて歩く、それだけである。それだけなのだが、なにしろ1,000m2の斜面なのでひと仕事にはなる。秋田の気候を考えると9月の中頃までには蒔いておきたかった。寒くなるまでに根付きまでさせることが大事だからである。そうするとその状態で冬越しし、来春、緑の絨毯になる。10日ほどで発芽するだろう。今日から来春までは裏山は養生のため立入禁止。上手くいって緑一面になって欲しい。
メッコが今朝から熱っぽい。搾乳の手触りですぐ分かる。さすがに食欲はないが、目の力や表情はいつもどおりなので様子を見ても良いと判断した。こうして体調に異変を感じることは多くないので、気にはなる。早く治れ。
今日もミルクの話題を。ヤギミルクの特徴を整理しておきたい。
「お腹に優しいミルク」だと言える。脂肪球の大きさが牛乳の1/6と小さいため、しっとりしていて消化し易い。人の母乳に近いとされ、必須アミノ酸やミネラルが豊富だという栄養的特徴もある。
「ヤギのミルクは臭い」という先入観があって遠慮される方もいるが、ミルクの味わいは食べ物から大きく影響を受ける。また、周囲の環境の臭いを吸収するという性格がある。「(臭い)オスのそばでミルクを搾るな」と昔から言われる所以である。私の牧場でとれるヤギミルクは、まったくそういうことがない。みなさん驚かれるが、万人の舌に合う味だと自負している。
ただ、ヤギミルクはアレルギーの人にも大丈夫だという神話には慎重になって欲しい。牛乳ほどアレルギー性は強くないが、非アレルギー食品ではない。もっと詳しく言えば、牛乳の主なアレルゲンであるアルファS1カゼインという蛋白質は確かに非常に少なく、人の母乳同様βカゼインが主体である。だから、このアルファS1カゼインに反応しているお子さんなどには有効と言える。ただ、βラクトグロブリンというアレルゲンは持っており、もちろん牛のそれとは形状が異なるが、交差反応を起こしてしまう恐れがある。牛乳アレルギーをお持ちの方がαS1カゼインに反応しているのか、βラクトグロブリンに反応するのかは通常の検査では判別できないらしい。飲んでみないと分からないのはつらい。牛乳アレルギーをお持ちのお子さんなどは十分注意された方が良いと思う。感覚的な言い方で申し訳ないが、牛乳アレルギーの強いお子さんなどには、ヤギであっても多少は反応してしまうことが多い気がする。
通常、哺乳類は赤ん坊の間だけミルクのお世話になる。このため、ミルクの乳糖(ラクトース)を分解・消化する酵素が、大人になると分泌できなくなってしまう。日本人にはこの体質の方が多く、イヌやネコなどもそうである。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして下痢などをしてしまう「乳糖不耐症」である。この乳糖不耐症にはヤギミルクは良い。消化が良く、お腹にやさしいからだそうである。
発疹やかぶれ、吐き気など、広範囲な反応を併発しない場合、これはアレルギーではなく、乳糖不耐症である。
ヤギミルク、お試しの価値あり、です。
今日のヤギ時間:トータル5時間

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