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農園リストランテ

25.08.30 仔ヤギがいなくなって

娘と孫たちが帰って、賑やかな疾風が吹き去り、日常が戻ってきた。孫というものは、来て嬉しくあり、帰ってまた嬉しいものらしい。なるほど。
ウチのネコはおヒト(ネコ?)好しなので、5歳と9歳になるガキンチョにいじりまわされていた。ほとほと疲れたとみえ、今、隣で気絶するように寝ている。お疲れさん。
娘たちは今日の夕便でそれざれの地元に帰っていった。空港まで送り、お墓参りなども途中でした。この数日のヤギの世話は必要最低限レベルだったが、良い夏休みだった。
さて、ヤギのことであるが、子ヤギが里親さんに去ったら、それまで最低でも4時間半かかっていた世話時間が3時間ほどで済むようになった。内容や質を落としたわけではないので、単純にそれだけ手間が減ったということなんだろう。どこでとれだけ手間がかからなくなっているのか、指折り数えても計算が合わないのが不思議だが、そうなのだ。
成体のヤギが6匹いたときは大変だった。子ヤギが産まれると20匹近くなる。この牧場の広さなどの環境や手数、飼養のレベルなどを考えると今の規模が程よいところだと思う。怖いのは多頭崩壊である。限界を超えるとなだらかにではなく、急速に一気に飼養レベルが低下する。これは絶対に避けなければならない。環境を充実させ、飼養の手数を増やすことで救済できるが、一番簡単なやり方はヤギを減らすことである。要は分相応の範囲でやるということである。ヤギは産業的とは言えないので、小さな規模でたくさんの方が分相応に飼うのが望ましいと私は思う。その分、愛情深く、個体管理して飼うのが良い。自分で言うのはなんだが、私の牧場の飼養レベルは高いと思う。このレベルを日に3時間程度で保てるなら汎用的である。
ヤギは、戦後、牛や豚など産業型の家畜にとって代わられ淘汰された。家畜界の産業化は経済復興の一環であり、国策であったことは事実だが、私はそれを「豊かになりたい、楽をしたい」という私たちの欲望が強烈に後押ししたんだと思っている。ヤギに縛られる生活より、スーパーに行って200円で牛乳を買って飲んだ方が良い、という選択をしたのである。そして、その考えは今なお深く私たちに根ざしている、いや、あの時代よりも増幅しているかも知れない。その判断や価値観が誤っているとは言わない。ただ、スーパーに行って200円の牛乳を買ってくるのではなく、たとえ時間の拘束があってもヤギを飼って、ミルクを搾るという考えも認められる世の中の方が素敵なのではないだろうか。いかがだろう。
今日のヤギ時間:トータル3時間30分

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